2.現代社会の文化と文明 -なぜ・何を・どう学ぶのか-

このページの内容は次の通り。
・社会、世界、歴史を知ること
・現代文明の基礎は西洋の学問にある

社会、世界、歴史を知ること

人はみな、人の中で生きている。人の集まりを社会という。現代社会で生きている人がよりよく生きるためには、その現代社会をよく理解する必要がある。現代社会がどのように成り立っているのかを知り、社会に育まれた文化と社会が発展させてきた文明を理解することで、人は心地良く生き、満足いく貢献をすることができる。

今、この世界を見ると国と国の垣根は下がり、瞬時に必要なことを知ることができ、世界と日本との違いもほとんどないように見える。日本にいてできないことはない、学べないことはない、そんな気にもなる。しかし、いかに通信網が発達し、交通網が発達しても、依然、日本は日本であり、日本人は日本人の文化と思考を持っている。それは他国民も同じである。自らが学ぼうとしなければ、日本文化も、他国の文化も学ぶことはできない。どちらも、知っているとたかを括ってはいけない。自国の文化を知らないことは問題であるが、他国の文化を知らずに自国の文化を理解することもできない。当たり前と思っている習慣にこそ自国の最大の特徴があることも多い。良い習俗を保ち、悪弊を廃する、人は最善を目指すことが常に求められている。

何かを学ぶためには、何事でもその過去、歴史を振り返り、源流をたどることがとても大切だ。今あることだけを見ていては分からないことがある。くわえて、人からの伝聞ではどうしても質が落ちる。自分の手を動かして原典にあたることが必要になる。

現代文明の基礎は西洋の学問にある

現代文明の基礎には学問がある。現代文明における学問の価値については、次章において詳しく説明する。しかし、残念ながら、現代文明の要となる学問の礎を築いたのは日本ではない。主に、明治時代に西洋から日本へ導入された。当然のことながら、現代の学問、例えば科学や法律の恩恵を否定するわけにはいかない、そうであるならば、これを知るには西洋の原典を学ぶことを心がけるしかない。日本の過去を学ぶことは自国民として当然である。と同時に、優れた文明はすべての民族に平等であり、どこから生まれたかよりも、どこが受け入れ、育んでいるかの方が大事である。日本が現代文明の特長をより深く継承し、発展させた文明国として歴史に残ることを皆が願っている。

高校までは、習った知識がどこで生まれ、どのような考えを持った人たちによって生み出されたかを学ぶ機会が非常に少ない。しかし、知識を深く理解し、それを発展させていくには、その背景を知る必要がある。西洋文明の大きな源流はギリシャ文明とキリスト教にある。異質な両者がどのように絡まり合い、反発し、支えられながら、西洋文明が育まれていったかは非常に複雑で興味深い歴史である。その歴史を知ることは現代社会を知ることそのものともいえる。

時に応じて、自分の興味を持った学問の歴史をたどってみるとよい、自ずと西洋文明の過去を知ることになる。次第に知識が分野を越えて横に繋がり、全体像も見えてくる。一つ、科学史をその導入として学ぶのもよいと思う。村上陽一郎先生の著作をお勧めする。西洋の大学では、大学教養課程をリベラル・アーツと呼び、現代社会において自他の自由を広げる技術、さらに学問の基礎として、現代社会の文化と文明の要となる知識を学んでいる。次章では、その要となる知識をより具体的に説明していきたい。

目次
なぜ学び、何を学び、どう学ぶのか
1.道徳と宗教
2.現代社会の文化と文明
3.学問と論理、とくに科学と法律
4.国語と数学と英語
5.対象と関係、関係論理

公開日時:2016年8月31日
修正日時:2017年3月17日 章立てを追加。
最終修正日: 2017年3月17日