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Decomposition of Natural Numbers from Prime Objects(素なるものからの自然数の分解)

ペアノにより自然数は公理化されましたが、和と積を分解した抽象化構成はこれまでありませんでした。
今回、自然数の和と積を分解する抽象化構成を発見しました。ご興味をお持ちの方は下記の論文をご覧ください。
ご指摘・ご感想等、どうぞお気軽にお聞かせ頂ければ幸いです。

「Decomposition of Natural Numbers from Prime Objects(素なるものからの自然数の分解)」
written by Junya Sebata(瀬端隼也).
https://www.cambridge.org/engage/coe/article-details/633e46d8975e9416dc9595d6

論文の構成は、もちろん価値の高いと思われる内容をできる限り明確に簡潔に記述するために最善を尽くしています。しかし、最も価値の高いと思われるものほど、直観と好みに依存し他人(専門家含む)には伝わりにくいものであることも確かです。そこで、以下では一般に興味を持ちやすいと思われる順にポイントを列挙していきます。

1.自然数の和と積を分解する抽象化構成。簡略化すると、整列集合と素なるものの間の分配法則として表わせます。積が迂回して素因数分解と同時に定義(証明)される感じです。

2.分解、関係構成を得て、自然数の見通しが良くなります。本論文もこの分解によって素数や約数の配置に関わる重要な構造を冪集合上に発見しています。今後、自然数の類似物を作成し比較研究が行えることも期待しています。

3.Σ(Φ(k)×[n/k])=n(n+1)/2という美しい式。この式が冪集合上の構造に由来すること、そして約数の和の基本公式ΣΦ(k)=nと同値であることを示しています。Φ(k)の波をより単純な動きの[n/k]とn(n+1)/2で表せそうな気もします。

4.ペアノとは異なる自然数の構成なので、1,2,3…という記号とは異なる自然数観が深まり、数学の学問観、数学の統一という観点で数学史的な価値があるのではないかと思います。一般社会への数学啓蒙の素材として活用できたらと期待しています。

5.発見に至る方法論、哲学的な基礎付けがあります。哲学、数理哲学に含まれる内容のため数学者には苦手な方もいるようです。デカルトが読めると面白い分野です。関係構成を他概念で発見するためには有用となると思います。この哲学で自然数の関係構成があると思えたから今回の発見がありました。

6.最も価値があると思うのは、今回の論文の結論にもあります通り自然数の分解により発見した冪集合上の法則です。冪集合というほぼすべての対象に適用できる抽象化概念の中に自然数を縛るような強い一般的な法則があることは、自然数に置けると同様に、他の対象でも他法則と干渉して大きな役割を果たす可能性が高いと感じています。

以上です。ご関心をお持ち下さりありがとうございました。