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なぜ学ぶのか - カテゴリー

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対象と関係について、より詳細に

考えるとはどのようなことでしょうか?何かを考えるということは、複数の対象の関係を考えるということです。そして、対象そのものは本質的には、名前しか持たない「空っぽ」であり、対象の本質は、他の対象との関係によってのみ規定されます。例えば、構造とは対象という識別間の関係によって成立していると言えますし、対象は他の対象によって相対的にしか規定されえないと考えられます。

5.対象と関係、関係論理 -なぜ・なにを・どう学ぶのか-

物事を正確に考えるための方法として、私が考えた知識を対象と関係に分けて考える手法を説明したい。物事を考えるには、対象を明確にし、対象と対象の関係を考察する必要がある。それは、すべての対象は他の対象なくして存在せず、他の対象との関係によってのみ規定されるからだ。さらに、対象と関係は論理という形で表現することもできる。

4.国語と数学と英語 -なぜ・なにを・どう学ぶのか-

国語は、人が物事を考えるための基礎であり、各学問を理解するための土台となる学科である。数学は、科学の土台であり中心である。科学、つまり自然を理解し表現すること、そのための言語のような学科である。英語は、世界の共通言語であり、習得する価値の高い言語といえる。どの学科でも、勉強の仕方で最も大切なことは反復することである。

学問と論理、とくに科学と法律 -なぜ・なにを・どう学ぶのか-

現代社会は、あらゆる側面で様々な学問に支えられている。そこで生活するには、多少なりともそれぞれの学問を知る必要がある。とくに科学と法律は、現代社会の土台である。それを基礎付けている論理について、そしてさらに科学と法律とは何かを説明する。

学問と論理13(西洋近代と現代の合理主義4) -なぜ・なにを・どう学ぶのか-

公理主義的な考えを進めると、公理の真偽に関係なく公理を仮定として理論を構成することができます。さらに、公理の形式化を進めることで、公理や命題の意味を解釈することなく、論証をデータ操作で可能な段階に至ります。このような形式化は、正確に対象を認識したり、多様な理論を統一したり、理論を互いに相対的に接続したり、などするためには、とても強力な手段となります。ソクラテスから始まり、ユークリッドの原論、時代を超えてデカルトの方法序説、ヒルベルトの公理主義を紹介してきました。これらのことを知って意識しながら数学を学べば、合理的、論理的な思考力を鍛える上で、数学以上の題材はないのだろうと思いますし、意識的に学ぶことによってこそ、その他の学問や仕事への応用もできるようになります。

学問と論理12(西洋近代と現代の合理主義3) -なぜ・なにを・どう学ぶのか-

ユークリッドの原論が合理主義、論理の精密さを高め、その模範とされたように、現代数学がやはり、合理主義、論理の精密さを高める舞台として、重要な役割を果たしてきました。関連する重要な成果を列挙すると、集合論、ブール代数、公理主義、記号論理学などです。現代における合理主義、論理において重要な価値がある公理主義は、20世紀の最も優れた数学者であるヒルベルトの「幾何学の基礎」によって提唱されました。公理では、従来の定義のように自然言語によって直に意味付けされる方法は避けられ、規定対象は自然言語とは切り離され、他の規定対象やその関係を記述する言葉とのみ繋がり、その規定対象間の関係のみが論証の根拠として利用されます。

学問と論理11(西洋近代と現代の合理主義2) -なぜ・なにを・どう学ぶのか-

デカルトは、自然科学における知識を実験で検証することの重要性を強調しました。実証主義に繋がっていくこの検証可能性を重視する姿勢は、科学以外の分野へも確実に広がっていきました。現代においては、合理主義という言葉の中に仮説の検証可能性と実際の検証を重視することが含まれているのだと思います。つまり、デカルトの合理主義は、科学、医学、法律、政治、ジャーナリズム、経営など、あらゆる社会活動の基盤になっているとも言えます。そうであれば学習においても、議論によってより正しい解答を探究しょうとする姿勢を身に付けたり、疑問を持って調査などをして納得してから受け入れるという姿勢を身に付たりすることが重要となっています。

学問と論理10(西洋近代と現代の合理主義1) -なぜ・なにを・どう学ぶのか-

ユークリッドの原論の功績は、枚挙に暇がないと言えるほど、後世の学問の礎になりました。数学で言えば、公理主義が一般的な数学の理論形式となり、科学で言えば、ニュートンやアインシュタインの物理学の土台となり、数学とは異なる分野と思われる法律であっても、同じ論理的な方法論が取られました。それ以外においても、ユークリッドの原論は、デカルトの合理主義によって、現代のすべての学問の基礎へと繋がって行きました。デカルトは、論理学と幾何学と代数学の長所と短所を考慮して主に四つの規則からなる思考方法を、諸々の学問に適用できるものと期待する、として提示しました。とくに、注意深く知識の真偽を検討して真理を探究する、という方法自体は、合理主義の再興、西洋近代の学問の一つの再出発点となりました。

学問と論理9(ギリシャの合理主義2) -なぜ・なにを・どう学ぶのか-

ソクラテスの見い出したこの、無知の知という考え方と、とくにそれを確かめるために用いた問答法という物事の理解を深めていく議論の仕方、あるいはその思考方法は、弟子たちの教育に生かされ、その能力を大幅に高めていくことに繋がりました。ソクラテスの弟子にはプラトン、さらに孫弟子のアリストテレスという大学者が生まれました。とくに論理学においては、アリストテレスが、論理的な推論、演繹規則を初めて定型化するという大成果を生み出しています。そして、この論理体系の洗練は、あっという間に一つの頂き、数学の名著であるユークリッドの原論を生み出すことに繋がっていきました。ユークリッドもソクラテスの無知の知を土台にして原論を著述しただろうことが、その内容から推測されます。つまり、常に問うというソクラテスの姿勢が現代の学問、合理主義の土台になっていると感じられます。